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先輩から

S20M 松永大先輩からの投稿です。
第80弾です。なお今後も定期的に投稿を掲載して行きます。どうぞご期待ください。
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第80弾「ビル・エゲクフィスト氏」

松永 巌

 発音し難い名前であるが米国人である。
 彼の祖父はデンマーク人で、米国に渡り、ベーカリーで大成しソレンコと言う会社を設立した。彼はそれを引き継いで社長をして居た。彼の話に依るとデンマークでは格調高い名字をお金で買う事が出来るので、祖父もその方法でエゲクフィストと言ふ名字を入手したのだと言う。日本には無い制度である。
 私の居たシカゴのみならず、日本人の多く居る外地では土地の大使館、領事館が主催するパーティや現地の日本商工会議所が主催するパーティが良く行われる。
 エゲクフィスト氏は大の親日家でミネソタ州のミネアポリスに住んで居乍ら、ミシガン州のシカゴの日本人主催のパーティに出席して居て、私との出合いもこのパーティで知り合ったものである。
 彼は私より五歳年上で背丈は私と同じ位、風貌は日本サッカーの代表川淵三郎氏に良く似て居て、声は掠れ声であったが上品な言葉使いであった。何回かお会いする中に、ミネアポリスに来る様にと招待された。
 ミネアポリスはミシシッピー河の西岸にあり、東岸のセント・ポールとツイン(双子)都市で、こゝの野球チームはアメリカンリーグ中地区に属すが、その名もミネソタ・ツインズと呼ばれて居る。
 一九七六年六月三日シカゴからUA661でミネアポリスに飛んで彼の出迎えを受け、日本のロータリー・クラブの様な所へ案内され食事供応を受けた。この時同じミネアポリスに住む「世界の穀物王」と言われ、世界中に穀物貯蔵するカントリー・サイロを持つ「カーギル」の副会長ロバート・ディレックス氏を紹介され握手をしたのも忘れられない出来事であった。暫くクラブで会話をし彼の自宅に案内された。
 自宅はそれ程大邸宅ではなかったが、石造りの階段を昇った見晴らしの良い高台にあった。リビングもそれ程広くはなかったが価値のありそうな置物が置かれて居た。彼のルーツのデンマーク製の陶器、一個数万円もするものもあると言う有名なオランダ製の皿が沢山壁に飾られて居たのには驚いた。途中でトイレを拝借したが、こゝが又目を見張る程綺麗で特に壁紙の見事さに感心し、出て来て夫妻に話したら、夫人は「イッツ・トウキング‼」(対話)と言って笑って居た。お礼を言って空港まで送って貰った時は夕暮であった。
 同じ年の一一月シカゴ総領事館の村田達領事から彼を名誉領事(日本からの派遣ではなく、その国の人に任命される)に推せんするので民間企業の代表として、又友人とし任命式に出席して欲しいとのお話があり、私は喜んでお受けし一一月八日村田領事とNW429でミネアポリスへ飛んで式に出席祝盃を挙げた。
 その後私の部長時代に彼が来日し、帝国ホテルに招待。久闊を叙する機会を得たが、その後消息は掴めず、今になって色々数々の想い出に浸って居る。

2024.10.1