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マイ趣味(坐禅)

S37年卒化学  小嶋 義輝

 H4年(1992年)9月に東戸塚霊園合掌の郷(倫勝寺)にお墓を購入した事を縁に御付合いをさせて頂いており、座禅はH7年(1995年)から1回/ 月を目標に参加しております。
 人間は人と人とのつながりの中で毎日生活していますが、時にはそのつながりや社会の流れの中に埋没してしまい、自分を見失ってしまう事もあります。
 この様な変化の激しい時代だからこそ、じっくり腰を据えた対応と遠くを見通すう心の持ちようが大切です。

 座禅は、身を調え、息を調え、そして心を調えて心の安らぎを深め、その場限りのストレス発散では味わい無いもっと心の奥のほうを和ませてくれます。
 そして足を組んだ座禅は本来、人間が最も自然に添った生活をした時の形なのです。
 ゆったりと河が流れるように、風が吹いて木々の梢が揺れるように、自我をたてずに自然界の一員として生きていく形です。
 そんな座禅を通して現代生活の中ではなかなか困難になった静かな環境の中で心を落ち着け、じっと自分を見詰め直してみる機会を持つ様にしています。

** 行雲 流水(こううん りゅうすい)*
** 本来 無一物(ほんらい むいちもつ)*
** 日日 是好日(にちにち これこうにち)*
** 座禅は、釈尊が「ありとあらゆるものの、あるべき姿を正しく見極め、世の中の全ての存在は仏の姿に、悟りとして現れている。」という悟りをお 開きになった事からはじまっています。*

** 始めに*_
 座禅とは、文字の通り座る禅という事です。禅とは梵語で「ゼンナ」と言う言葉に、音を表す「禅」と言う文字をあてたものです。
 意味の上からは、定(じょう)とか静慮(じょうりょ)とか、思惟修(しゆいしゅ)とか訳されます。これは、ものごとの真実のすがた、在り方を見極めて、これに正しく対応していく心の働きを調える事を言うのです。その為には、心を一カ処に集中しなければなりません。
 物事の表面の事象にとらわれることなく、真実の在り方を見極め、対処して行くことを解脱とも言います。この解脱の道を体得し、体解するのが禅の真義なのです。

座禅風景

_*座禅の作法*_
○*座禅の前に*○
 *装身具、時計などは外し、靴下などは脱いでおきましょう。
 *座蒲は自分の体に合ったものを使いましょう。
 *堂内では静かにしなければなりません。私語を慎みましょう。
 *堂内を歩くときは、必ず叉手にします。また、聖僧様の前を横切っては行けません。
 *座ったとき、隣の人にあわせて一列になるようにします。

*  1.合掌(がっしょう) *
 相手に尊敬の念を表す事です。両手のひらを合わせてしっかりと指を揃えます。指の先を鼻の高さに揃え鼻から約十センチ離します。肘を軽く張り肩の力は抜くようにします。

*  2.叉手(しゃしゅ) *
 立っている時、歩く時の手の作法です。左手の親指を中にして拳を作り、これを胸に軽く当てて右手のひらでこれを覆います。

*  3.法界定印(ほっかいじょういん) *
 正座の時、座禅の時の手の形です。右手のひらを上向きにして組んだ足の上に置き、その上に左の手のひらを同じいように上向きにして置き、両方の親指の先 をかすかに接触させます。力を入れて押してはいけませんが、決して離さない様にします。

*  4.燐位問訊(りんいもんじん) *
 坐る両隣の人への挨拶です。自分の坐る位置に着いたら、その場所に向かって合掌低頭します。両隣に当たる二人はこれを受けて合掌します。

*  5.対坐問訊(たいざもんじん) *
 坐る向かいの人への挨拶です。燐位問訊をしたら、合掌のまま右回りをして向かいに坐っている人に合掌低頭します。向かい側の人はこれを受けて合掌します。

*  6.面壁(めんぺき) *
 壁の方に向くことです。対坐問訊をしたら、そのまま座蒲の上に腰を下ろします。その時、背骨の下に座蒲の中心がくるようにします。一方の手で座蒲を持ち もう一方の手で畳を押すようにして回り、壁の方へ向かいます。

*  7.結跏趺座(けっかふざ) *
 両足を組む坐り方です。まず、右の足を左の股の上に深くのせ、次に左の足を右の股の上にのせます。足を組んだら手は法界定印を結びます。

*  8.半跏趺座(はんかふざ) *
 片足を組む坐り方です。右の足を左の股の下に深く入れ、左の足を右の股の上に深くのせます。結跏趺座でも半跏趺座でも肝心なのは、両膝を確実に地につ け、両膝とお尻の三点で上体を支えることです。

*  9.左右揺振(さゆうようしん) *
 身体を落ち着かせるために行います。上半身を振り子のように大から小へ左右に振り動かして、座相をまっすぐに正しく落ち着かせます。

* 10.上体の作法 *
 背骨をまっすぐに伸ばし、下腹を突き出すようにして腰にきまりをつけます。両肩の力を抜き、首筋には力を入れず顎を引き、頭で天を突き上げるようにする と背骨がまっすぐになります。

* 11.目の作法 *
 目は閉じてはいけません。自然のままに開いておきましょう。視線は、およそ一メートル前方、約45度の角度に落としたままにして、よそ見をしてはいけま せん。

* 12.欠気―息(かんきいっそく) *
 形を正したところでする息です。深々と息を鼻から吸い込み、これを徐々に口から吐き出します。この深呼吸を数回行った後は、自然と鼻からの呼吸にまかせ ます。

* 13.口の作法 *
 舌の先を上の歯の内側の付け根につけ、歯をしっかりと揃え唇を密着させます。口を真一文字に結んで、開けたり動かしたりしてはいけません。

* 14.思いをはなつ *
 様々な思いにとらわれない事です。目に映るものにも耳に聞こえる音にも、鼻に匂う香りにも心に浮かぶ思念にも、なるがままそれらの一切に引き込まれない ように、気にかけないことです。

* 15.止静鐘(しじょうしょう) *
 座禅の始まる合図です。参禅者の身相が整う頃、堂頭が入堂して堂内を一巡し、正しい座にあるかを点検します。これを検単といいます。堂頭が自分の後ろ に巡って来た時は合掌をし、通り過ぎた後に法界定印に戻します。この後、止静鐘(鐘三回)が鳴ります。止静鐘が鳴ったら堂内に出入りをしてはいけません。

* 16.警策(きょうさく) *
 心のゆるみを警める為に使います。眠気がしたり心が乱れたり時などに自分から合掌して受ける方法と、姿勢が悪かったり寝ていたりする人に直堂(堂内を監 督する者)の方から入れる方法があります。どちらの場合も右肩軽く打って予告しますので、そうしたら合掌のまま首を左に傾け右肩をあけるようにします。受 け終わったら合掌低頭してもとの法界定印に戻します。

* 17.経行(きんひん) *
 座禅が長時間行われる場合に、堂内をゆるやかに静かに歩行することです。座禅中に経行鐘(きんひんしょう)(鐘二回)が鳴ったら、合掌低頭し左右揺振し て足を解き右回りで向きを変え静かに立ち上がります。座蒲を直し燐位問訊(りんいもんじん)、対坐問訊(たいざもんじん)をします。その後叉手(しゃ しゅ)にして呼吸を整え、一呼吸に半歩ずつ右足より歩を進めます。息を吸って吐く間に、足の甲の長さの半分がけ歩を進めるのです。列の前後を等間隔に保 ち、堂内を右回りに緩歩(かんほ)します。呼吸の仕方や上体の姿勢、目や口元などは座禅の場合と同様です。時間になり抽解鐘(ちゅうかいしょう)を聞いた ら、直ちにその場に両足を揃えて止まります。叉手のまま低頭し、普通の歩速で進行方向に進み自分の坐っていた場所に戻ります。燐位問訊、対坐問訊したのち 座禅を続けます。

* 18.終わり *
 放禅鐘(ほうぜんしょう)(鐘一回)が鳴ると座禅の終わりです。合掌低頭した後、今度は両手のひらを上にして膝に置き、最初とは逆にはじめは小さくだん だん大きく左右揺振をします。体をほぐした後、足を解き右回りで向きを変えます。立ち膝になり座蒲を元の形に直します。直し終わったら立ち上がり、燐位問 訊、対坐問訊をして叉手で退堂します。

- 以上 -