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会員投稿

《人生の回想》

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第18話 長崎・尾道・函館・応用科学学会での招待講演
野﨑(旧姓:椿)敬策(S46e)
 2011年12月にIEICE主催による長崎美術館での学会が有った。この場で招待講演を行った。テーマは“地域ITSの動向と将来”だった。

************ 招待講演:論文の一部抜粋 ************
**** 招待講演:論文の一部抜粋 ****
地域ITSの動向と将来
野崎 敬策(交通ジャーナリスト)
E-Mail: kt-nozaki@mti.biglobe.ne.jp

 あらまし ITSは人とモノの移動を安全・効率・快適に行う手段として日米欧3極を中心に1993年から推進されている。
 交通手段として車、鉄道、船、飛行機等があるが、日本国内では主として道路交通を対象に産官学挙げて取り組んできた。具体的取り組みは大都市圏主体に全国レベルのカーナビ、VICS、ETC、安全運転支援等が実用化されているが、各地方都市・自治体においてはそれぞれ固有の課題を抱えている。地域ITSはそれらの課題解決のために地方自治体が主となってITS活用を推進している。本論文では地域ITSの推進動向と今後の将来に対する取り組みについて紹介する。
 キーワード 地域交通、高度交通システム、公共交通、環境、観光、スマートシティ

The trend and future of region Intelligent Transport Systems
Keisaku NOZAKI (Transport Journalist)
E-Mail: kt-nozaki@mti.biglobe.ne.jp

 Abstract ITS is promoted from 1993 centering on Japan, the U.S. and Europe 3 pole with people by making movement of object into safety and efficiency, and the means performed comfortably.
Although there were a car, a railroad, a ship, an airplane, etc. as a means of transportation, in Japan, road traffic was mainly able to be targeted for industrial, administrative and academic sectors to tackle.
In each region city and self-governing body, the concrete measure is holding the respectively peculiar subject, although car navigation of a national level, VICS, ETC, safe driving support, etc. are put in practical use by the metropolis subject.
Region ITS becomes main a region self-governing for, those business solutions, and is promoting ITS practical use.
In this description, the measure to the promotion trend of region ITS and the future is introduced.
 Keyword Region Transport, Intelligent Transport Systems, Public Transport, Environment, Sightseeing, Smart-City

1.はじめに
 ITS(Intelligent Transport Systems:高度交通システム ただし、国内では高度道路交通システムという)は、20世紀の自動車交通の負の遺産として交通事故・渋滞の解消を図る目的で1970年代からインフラ主体の交通管制システム、道路交通情報システムとして警察庁、国土交通省(旧建設省)が中心に全国レベルで進めてきた。その後、情報通信技術の発達で「人・車・道路」を有機的に結び付け、より高度な交通システムの実現をめざし1996年、国家戦略として関係省庁(国土交通省(旧建設省・運輸省)、警察庁、総務省(旧郵政省)、経済産業省(旧通産省))によって「ITS推進に関する全体構想」が策定された。これに基づき産官学共同によるITSの実現が加速され、具体的にはカーナビゲーションシステム、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)、ETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)等が開発実用化された。一方、地方においては地域住民の生活利便性向上の観点から公共交通を主体とした。
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 下の図は日本全国における地域ITS推進団体の設立状況を示す。筆者は様々な形でこれらの団体と関わった。なお下の図には沖縄が掲載されていないが、この後に沖縄ITS推進フォーラムが発足した。
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長崎美術館屋上からの長崎港

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講演する筆者

 講演終了後に主催者の招待で上五島列島の実証実験「長崎EV&ITS」を視察した。長崎港から高速船で上五島に渡った。港には小型電気自動車が配置されていた。このCompact EVcarに乗車し島内のキリシタン教会巡りを楽しんだ。
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長崎EV&ITS(電気自動車)

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頭ヶ島天主堂

 五島で一泊し美味しい海鮮料理と美酒で懇親会が盛り上がった。
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五島の美味な海鮮料理

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大曾教会

 2011年は娘の脳腫瘍再発に始まり、東日本大震災の体験と講演を3回(YRP、宇都宮大、鹿児島)行い4回目を長崎で締めくくった。
 2015年11月に尾道市立大学で招待講演を行った。かつて岩手県立大学で准教授だった高山Ph.が尾道市立大学に転籍し、筆者を招いてくれた。下のような立派なポスターを作製してくれたのは今回が初めての経験だった。このポスターは尾道や広島の公共施設に張りだされた。
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 広島県には松下時代は広島県警交通管制センターの納入、学会関連で広島大学、福山大に行っていたが尾道市の地を踏むのは初めてだった。
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尾道市立大学:副学長

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経済情報学部:高山教授

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講演する筆者

 尾道は坂の街で有名である。林芙美子の放浪記で全国区になった。尾道駅前で尾道ラーメンを食し尾道市内を暫し散策した。尾道が一望できる尾道城迄歩いたがまさに坂の街であった。遠くにしまなみ海道の始点:尾道大橋が望めた。
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尾道の風景(しまなみ海道:尾道大橋)

尾道の風景
(しまなみ海道:尾道大橋)

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尾道城(千光寺公園博物館)

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坂の街:尾道

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林芙美子:放浪記像

 尾道を後に岡山の倉敷に立ち寄った。倉敷は二度目の地だった。美観地区などを散策し横浜への帰宅の途についた。
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倉敷:美観地区の風景

 話は前後するが2014年6月に応用科学学会から講演の要請が有った。初めて聞いた学会名だった。
 講演テーマは“ITSインフラの開発秘話”と指定された。
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 講演終了後は関内で懇親会が行われた。学会メンバーに関東学院大の水井Ph.や元本田技術研究所の高橋氏も所属していた。他には東大や群馬大のPh.が居た。
 2019年 福井県の永平寺町で自動運転の社会実験が行われていた。此の視察を兼ねIEICEのITSワークショップが開催され参加した。永平寺町の職員が対応してくれた。自動運転の実証実験は鉄道が廃線となった後、町民の足を確保する意味で電動カートを自動運転車として活用したシステムだった。電動カートはゴルフ場で走っているHONDAやヤマハ製の電動カートだった。走行路に電磁誘導線を敷設し、カートがこの電磁誘導線に沿って走る技術的には既に枯れたものだったが、街の活性化には期待されたものだった。永平寺駅から永平寺の入り口まで走っていた。
 このワークショップで筆者は高齢者の自動車事故やあおり運転などについて話題を提供した。元工業技術院の委員長がアクセル踏み間違いでの悲惨な死亡事故を起こした事がきっかけだった。この時の内容をIPSJの主催で2020年3月開催予定のはこだて未来大学で招待講演を依頼された。
 テーマは“高齢者交通事故とあおり運転・逆あおり運転への対策 -増加の一途をたどる交通事故への警鐘-”だった。しかし、新型コロナの蔓延で講演は中止となってしまった。
 その後、コロナの影響で学会はほぼ対面形式からオンライン(ZOOM)形式になって現在に至っている。筆者の活動も3年間のブランクとなった。

 第19話では家族同様に暮らしてきた愛犬遍歴を回想する。