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東京新潟県人会

第36回文化講演会参加記
 弁護士として「法律の制定・改廃を求めて60年」

1.日 時:
2024年(令和6年) 2月10日 14時~16時
2.会 場:
東京新潟県人会館 2階 大会議室
3.参加者:
長工グループ 11名(敬称略)
樋口 昭、土田、片桐、山川、川村、樋口 英五、星、加藤、成田、原、田中 公味子

春日 寛 講師のプロフィール
十日町市にて1936年6月生まれ、中央大学法学部卒の弁護士、日本桜の会評議員
立正大学法学部教授、東京十日町会会長

講演内容について
春日さんは巧妙な口調で講演された。
1. 不当な契約の拘束力からの離脱
 ブリタニカ百科事典詐欺商法告発事件において日本消費者連盟創立委員会告発で弁護を行い、相手方の主張、告発者側の主張を話され、成果として割賦販売法が改正された。クーリングオフにも触れ説明があった。
 これは私も若い時、月賦で買って支払いしていた記憶があるので興味深く聞きました。
2.松下カラーテレビ訴訟
原告:7名(原告代理人春日寛他6名)
被告:松下電器販売株式会社
 この、背景事情と横のカルテル、縦のカルテル、独占禁止法についてと松下側の主張、原告の主張および判決に対する評価などの説明あり、その中で特に印象に残ったのは、少額の被害者が損害を求める訴訟制度対して現行の民事訴訟制度はこの事態に対応できているのか?
 少額多数の被害者の道が無いとすると少額多数の被害を与えた加害者側は結果的に得することになる。これは不正義ではないか?
成果:東京都が『消費者裁判訴訟費用補助制度条例』制定
3.灯油裁判
原告:奪われたものは取り返す消費者の会、鶴岡生協協同組合、主婦連
背景事情:1978年10月6日の第四次中東戦争勃発、闇カルテルにより高い灯油を買わされた消費者。
成果:平成8年度民事訴訟法の改定
 損害の発生は認められるが損害額の実証が困難の場合には裁判所は口頭弁論の全趣旨および証拠調べの結果に基いて損害額を認定できるとの規定を新設。
消費者裁判手続特例法平成28年に施行(消費者団体訴訟制度)
 これは内閣総理大臣が認定した消費者団体が消費者に代わって事業者に対して訴訟することができる制度

このほか、春日さんは
4.アルコール販売の自由化を求めて
 訴訟中に自由化が始まって上告をしなかった。
5.大量生産・大量消費下における製品事故の適切・効果的な対応について
 ベビーフェンスの幼児の指切断事故を取り上げ、メーカの想像を越える事故で原因を追究し、裁判で対応された。この結果、製造物責任法制定の運動が起き、1994年6月22日製造物責任法案制定。
6.教科書の学習指導要領作成にあって
 家庭科教科書作成では夫婦別姓、家庭雑排水などと取り上げが認められた。
7.ゴルフ場会員販売の適正化を求めて
 会員数を五万人も販売して、会員が7年に一回しかプレイできないのはおかしい。とのことで色々交渉し、「ゴルフ場等に係る会員契約の適正化」が関東経済産業局より発付された。ゴルフ場の事業者(会員制度事業者)が会員(50万円以上)の募集をするときは、「ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律」第3条第1項の規定により募集届書をあらかじめ経済産業大臣に届け出る必要がある、と決まった。

 熱弁は2時間にも及び、会場は熱気につつまれた。
 加藤 智様に写真撮影を賜り、本記事に挿入させて貰いお礼申し上げます。
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熱弁される 春日 寛 講師

熱弁される
春日 寛 講師

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司会者:樋口 昭 様

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感謝を込め 花束贈

写 真:加藤 智(S40C)
編 集:星 富夫(S36E)